トウキョウ下町SF作家の会について

■理念

トウキョウ下町SF作家の会は、東京の下町エリアを拠点とするSF作家の会です。 女性のプロ作家を主体としています。

今の時代に性別で分けるのはナンセンスだろうという思いはあります。しかし、かの有名なパピーゲート事件、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞のアザーワイズ賞改名にまつわる議論、最近では「SFはBLに駆逐された」という発言が聞かれるなど、SFをある種特権的なものとし、対立構造を煽る思想は根深く残っているように思われます。

また日本のSFファンダムおよびプロ作家の主流は男性であるため、横のつながりが希薄である女性SF作家は少なくなく、創作や出版の悩みについて気軽に相談する場所がないという現状があります。

本会では主流ではない属性を持つプロ作家の活動を支援すると同時に、敷居が高いと思われがちなSFの門戸を開く特異点となるべく活動しています。

■所属作家(五十音順)

大木芙沙子(Fusako Ohki)

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東京都出身。荒川の左岸で生まれ育ち、現在はスカイツリーのお膝元で暮らす生粋のトウキョウ・イーストサイド人間。隅田川沿いや荒川土手をランニングする姿が頻繁に見られる。大学院では専攻と無関係の王家衛についての研究副論文を提出。流行りのアニメをひととおりチェックするのが趣味。出版社勤務、法律事務所勤務を経てフリーの校正者に落ちつく。2019年よりオンライン文芸誌「破滅派」にて駿瀬天馬のペンネームで作品を発表。2021年にはToshiya Kamei氏の英訳によって英語圏での作品発表を開始。「馬娘婚姻譚(英題 "Neighs and Cries")」がNew World Writingに掲載されたのを皮切りに、作品が海外オンライン文芸誌やアンソロジーに多数掲載。国内では2021年5月にKaguya Planetの短編SF小説執筆者に抜擢、「かわいいハミー」を発表。『kaze no tanbun 夕暮れの草の冠』(柏書房)に「親を掘る」を寄稿。惑星と口笛ブックスより短編集を刊行予定。 Twitter: @suruse10ver

Fusako Ohki.com


斧田小夜(ONODA, Sayo)

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千葉県出身。大学進学と同時に上京して以来、どこかへ行っては東京の下町エリアに戻ってくる回遊魚と化している。ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニアを経て現在はソフトウェアエンジニア。キャラクター設定の細かさからApex Legendsに惹かれ、熱心にプレイするFPSプレイヤーである一方、写真家としての一面も持つ。長くブロガーであったが、はてな匿名ダイアリー(通称増田)で小説家になれと言われたのをきっかけに、2011年ごろより執筆活動を開始。2019年に「バックファイア」で第三回ゲンロンSF新人賞優秀賞を受賞、同年「飲鴆止渇」で第十回創元SF短編賞を受賞(東京創元社より電子書籍として出版)。また2016年ごろから参加している破滅派にて発表した作品"The washing machine ate the socks"(邦題:だってせんたっきさんがくつしたたべちゃったんだもん)がInsignia 2020: Best Asian Speculative Fictionに掲載されるなど海外への展開も行っている。単行本「ギークに銃はいらない」(破滅派)ほか、アンソロジーに短編がいくつか収録されている。
著作リスト
Twitter: @pigya

関元聡(Satoshi Sekimoto)

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千葉県出身。足立区の綾瀬に六年間住んでいたことがあるが今は茨城県在住。都内の環境コンサルタント企業で中間管理職をしながらSFらしきものを書いている。専門は植物学、樹木学、生態学。モノクロ写真の現像とプリントが趣味だが最近はあんまりやれていない。少年時代からSF小説を読み耽り、「2001年宇宙の旅」でクラークに憧れ、始めて作った銀行口座の暗証番号は2001(今は違う)。小学校の卒業アルバムに招来の夢を「SF作家」と書くも、すっかり忘れて20年ほどサラリーマンをしていたある日、千代田線の車内モニタで星新一賞のCMを見て忘れていた情熱を思い出し、現在に至る。「Black Plants」で第七回星新一賞優秀賞(日本精工賞)、「リンネウス」で第九回、「楕円軌道の精霊たち」で第十回星新一賞のグランプリを受賞。SF作家の菅浩江先生に師事している。日本SF作家クラブの末席。犬好き。
Twitter:
@skmt3104n

久永実木彦(Mikihiko Hisanaga)

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東京都出身のような気がする。小さなころは福岡にいたりいなかったりした。現在は板橋区在住っぽい。少年時代にスティーヴン・キングを読みすぎてしまい、メーン州で育ったと思いこんでいるふしがある。全体的にあやふや。精神的下町を生きる精神的作家である。愛妻家にして愛猫家。好きな色は黄緑。好きな食べものはチョコミント、マスカット、パクチー、アボカド、ズッキーニなど。「七十四秒の旋律と孤独」で第8回創元SF短編賞を受賞しデビュー。同作を表題作とする連作短編集で第42回日本SF大賞最終候補となった。ほかにもいろいろ書いている。
Twitter:
@10tombs

■Contact

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