【宣伝】『花を刺す』が発売になりました

なりました、と書きましたが正確にはもう一週間以上前になっていました。
ばたばたしたり、宣伝って何書けばいいのかなと思ったりしているうちに一週間経ってしまいました。
ばたばたしていて、って便利な言葉ですよね。便利でちょっとずるい印象の言葉です。物理的にばたばたするのは圧倒的に子どもの方だけど、ばたばたしていてって使うのは大人だけですよね。それもずるさに関係があるのかな。ばたばた。

花を刺す 大木芙沙子 | オルタナキュレーション惑星と口笛
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『花を刺す』は大木芙沙子にとってはじめての短編集です。
惑星と口笛ブックス、もとい主宰の西崎憲さんのご尽力とご厚意によって完成することができました。
どうもありがとうございます。

収録作は全部で11作品。
一見多いですが、ほとんどが10,000字前後の掌編です。
どれも10分~20分くらいで読める作品なので、通勤のあいまや寝る前のひとときなどのちょっとした時間に楽しんでもらえたら嬉しいです。

書き下ろしの3作以外はすべて既発表のものです。
いちばん多いのは破滅派で発表した作品で、うちいくつかは合評会*1に出したものです。
ちなみに、収録作の「花を刺す」「金子さん」の2作は今も破滅派で途中まで読めるようになっています。
hametuha.com
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破滅派には2019年から作品のアップをはじめました。
去年末までは駿瀬天馬(するせ・てんば)という筆名を使っていて、これは『ドン・キホーテ』の作者であるセルバンテスの名前をアナグラムにしたものでした。
(だからプロフィール写真もずっとセルバンテス肖像画を使用していました。)
(別に顔出しNGとかではなく、私の顔なんて出しても出さなくても何でもいいんですが、セルバンテス肖像画のほうがインパクトがあるかなと思ったので。)
アナグラム関連で言うと、収録されている「安藤仁子料理教室(Love Is Blind)」の主人公・安藤仁子(あんどう・じんこ)の名前も、シェイクスピア作品「恋は盲目」の登場人物・アントーニオをもじってつけた名前です。
アントーニオ → アンドーニオ → アンドーニンオ → アンドーニンコ → 安藤仁子
強引……!
あまりの強引さゆえか、発表から二年経ちますが今までこれに気づいてくれた人はゼロです。

制作秘話を何か書ければよかったのですが、全然ないかも知れない。
あ!そうそう、収録作に「朝食みたいなメニューが好き」という話があるのですが、当初はこれをタイトルに持ってくる予定でした。
でも書いているうちに、これはシリーズにして連作短編か長編で書きたいなと思ってしまい、そうするならここでタイトルに持ってくるのは微妙だな、と思ってやめました。
で、ほかの収録作からタイトルをと思ったときに、まず最初に思ったのは「金子さん」。これはネットでの発表時からかなり人気のある作品だったので有力候補だったのですが、ちょっとタイトルとして弱い気がしたので却下。
けっきょく「花を刺す」に決めたのは、この短編集がCOVID-19の流行下で編まれて、いまだ完全には終局していないなかで出版される本だったからです。
私が書く小説はいつもフィクション*2で、現実に“今”起きていることを“即”反映させるようなことはめったにやらないのですが、「花を刺す」はたまたまそういう作品で、ちょっと特殊だったという思い入れもあり。
ちなみに作中に出てくる猫にはモデルがいます。

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全然憂鬱な気配もなく、元気でのびのびした猫です。ふわふわの毛がかわいい窓ぎわの王様。

そのくらいかな……? 全然秘話でもないな……?
自分で自分の本の宣伝書くのってむずかしいですね。猫の写真でごまかしてしまった。
とりあえず初短篇集『花を刺す』を楽しんでいただければ幸いです!
よろしくお願いいたします!

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*1:破滅派では隔月で合評会というものがあり、参加者は同一のテーマに則って作品を書いて合評を行います。

*2:ここでは虚構という意味で使っています。