【書評】破滅のむこうにかかる虹(『わたしたちの怪獣』久永実木彦)

だれもが傷ついてできた心のひだに怪獣を住まわせている。 わたしたちの怪獣は、自分を守るためなら世界を壊したっていいと思っている。(「わたしたちの怪獣」より) この世界に自分の居場所は用意されていないのだと気がついたとき、「わたしたち」にはふ…

トウキョウ下町SF作家の会からたいせつなお知らせ

お知らせです。トウキョウ下町SF作家の会の新メンバーとして関元聡さんが参加することになりました!関元さんは「Black Plants」で第七回星新一賞優秀賞(日本精工賞)、「リンネウス」で第九回、「楕円軌道の精霊たち」で第十回星新一賞のグランプリを受賞…

【レポ】SFカーニバルに行ってきたよ

ご無沙汰しております。 F担当ことエレガントザリガニこと大木芙沙子です。先日、S担当(斧田)とF担当(大木)でSFカーニバルへあそびに行ってきました。 SFカーニバルとは、日本SF作家クラブが代官山蔦屋書店と共同で開催しているイベントです。 store.…

トウキョウ下町SF作家の会から大切なお知らせ

お知らせです。トウキョウ下町SF作家の会の新メンバーとして久永実木彦さんが加入しました! せんぱい!久永さんは2017年に「七十四秒の旋律と孤独」で第8回創元SF短編賞を受賞し、デビュー。「一万年の午後」や「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」などの著作を発表し…

【速報】SFファン必携、SFが読みたい!2022年版が発売。あの作品も推されている…?

SFが読みたい!2022年版早川書房AmazonSFファンなら必携、SFになじみのない方の入門としてもお手頃な「SFが読みたい!2022年版」が今年も発売されました。 2019年11月から2021年10月に出版されたSFアンソロジーの収録作品一覧が収録されているので当然私斧田…

【宣伝】『花を刺す』が発売になりました

なりました、と書きましたが正確にはもう一週間以上前になっていました。 ばたばたしたり、宣伝って何書けばいいのかなと思ったりしているうちに一週間経ってしまいました。 ばたばたしていて、って便利な言葉ですよね。便利でちょっとずるい印象の言葉です…

【補記】『飲鴆止渇』の設定について

先日、大木さんが拙作「飲鴆止渇」(東京創元社より電子書籍にて販売中)の考察を書いてくれた。非常に素晴らしい考察で、むしろ自分が言いたかったことを代わりに書いてくれたのでは…?どうしてこんなに文章を思い通りに操れないんだ…精進します。さて、あ…

【書評】飲鴆止渇

揺碧山の鴆が飛んだ。その鳥、長い頸は鮮やかな常磐、空を切り裂く嘴と目は禍々しい蘇芳、紫黒の毒羽は翼長三里にも達し、人も動物も草木も、国さえも滅失させる。鴆は揺碧国の主都、春柳城に突如あらわれ、忽然と姿を消した。あれから十年だ。 荘厳な冒頭で…

kaze no tanbun 夕暮れの草の冠

kaze no tanbun 夕暮れの草の冠作者:西崎 憲,青木 淳悟,円城 塔,大木 芙沙子,小山田 浩子,柿村 将彦,岸本 佐知子,木下 古栗,斎藤 真理子,滝口 悠生,飛 浩隆,蜂本 みさ,早助 よう子,日和 聡子,藤野 可織,松永 美穂,皆川 博子柏書房Amazon 僕が出てきたのもの…

トウキョウ下町SF作家の会を発足しました

トップページの理念には偉そうに書いていますが、わりと斧田の思いつきとノリ(と高橋文樹さんの助言)で発足しました。 ただ、この二年間、商業デビューするにあたって色々と悶着があり、創作をして人に見てもらうという行為をすっぱりやめしまおうかと思っ…